日時場所
- 2009/07/15(水) 19:30~21:30 現代研究所
今日のあらすじ
- 3Mのタレントマネジメント ~多様性を競争力に
- 米国経営の伝統を基礎にした進化形
- 日本企業の多様性 ~アジア展開での発揮へ
多様性という経営戦略
- 多様性とは英語でDivercity
- 日本では女性活用という意味で使われることも多い
3Mのタレントマネジメント
- Single Technology Platform
- 相互に違う技術を関連付けする
いろんな事業を1つのグループ内で展開。
人材育成の戦略。
3Mのタレントマネジメントに対する考え方
- Identify talent
- タレントを見つけだして特定する
- Talent - Visible
- タレントを見えるところに置く
- Move the talent around
- タレントをあちこちに動かす
優秀な人材がいたら、グループ会社に異動して活用するという考え方を徹底する=タレントマネジメントの基礎
- 3Mには8万人ぐらい人材がいる
- 人材を常に把握している必要がある
経営トップ、経営陣による世界中の拠点の人材への関心と情報共有
- MTR
- Management Team Review
- HOO
- Health of Organization
- 半年に1度実施
- 組織診断をしてレポートが経営陣に報告される
- E.R.C.
- 役員レベルの人材評価委員会
- 月例で2時間
- 全会一致原則で、グループ会社の執行役員、関連会社社長を選考する
- [雑談] 現在の3Mの社長はイギリス人で、外からスカウトされた人材
- TIER Review
- TIER1, TIER2 の評価を全員で実施
- 15の製造関係の重要ポジションの評価と工場長を決定
- HCP
- Human Capital Plannningの考え方
- ポートフォリオ
- 下記のボックスには、必ず下記が含まれていること
- 女性
- マイノリティ
- 米国以外生まれ
Ready & available | Stretch | Future |
---|---|---|
すぐにでも使える人材 | 2~3年後には使える人材 | |
重要なポジションを任せてよい人材 | 将来的には任せてもよい人材 |
米国経営の伝統を基礎にした進化形
- 公民権運動
- EEOC雇用機会平等の原則
- アファーマティブ・アクション
- 96年カリフォルニア州の禁止法
- 「多様性(Divercity)は競争力」という確信
- Affirmative Action Platform
- 差別是正措置
- 州政府、政府が始めた
- その企業の状況に応じて、目標を決める
- 女性の人数、人種別の採用数、等
- 女性がオーナーの会社から製品を買う運動、も含まれる
- あくまでも州政府の禁止法
- カリフォルニア州内の企業のみ対象
Federal Equal Employment Opportunity(EEO)Laws
- 人種や肌の色、宗教、出身国別の雇用差別の禁止
- 男性・女性をベースにした雇用機会および賃金差別の禁止
- 年齢差別禁止
- 身体障害者の差別禁止(1973年)
- 意図的な雇用作戦に対する損害賠償
次の成長戦略 - アジアとの共栄
- 日本の輸出は今後減る見込み
- 現地法人(事業投資)の方が輸出よりも金額が多い
- 海外に行って経営をする時代
- しかも日本人が経営するのではなく、現地の人に経営させる
- 30年先のデータを見ると、、、
- 15億人クラブ(中国・インド)
- その後、減少社会に突入
- 3億人クラブ(インドネシア・パキスタン)
- パキスタンがアジア第3位になっている
- 1億人クラブ(フィリピン・ベトナム・日本)
- 6,000万人クラブ(ミャンマー・タイ)
- 5,000万人以下(韓国)
- 2,000万人前後(スリランカ)
- 1,000万人以下(カンボジア)
- 15億人クラブ(中国・インド)
中国、インド、ベトナムへの期待
- 1位は中国
- 2位のインドの次はベトナムが期待されている
アンケート結果
- 現時点
- アジアで作ってアジアで売る:23%
- 日本で作ってアジアで売る:21%
- 今後3年間
- アジアで作ってアジアで売る:39%
- 日本で作ってアジアで売る:11%
駐在員が描く右肩下がりのノコギリカーブの恐ろしさ
今後3年間の経営リスクの見方
- 人件費等の特定コストの上昇が経営を阻害する:31%
- せっかく育てた人材が定着せず、絵図やり直しを迫られる:29%
日本の人材海外派遣の問題点
- 日本人はマネジメント経験を積まずに、業務面だけで海外出張をすることが多い
- 数十人の工場長だった人を、いきなり数千人規模の海外工場長に送り出すケースがあるが、マネジメントができるはずがないことに気がついていない
グループ本社と現地法人との関係
共栄への5つの段階
- 移転段階
- 本社が何らかの事業・業務機能をアジアのホスト国子会社に移転する段階
- この時期は日本から現地への一方通行
- 共益段階
- 子会社が生み出した収益を、ホスト国に斉藤視するサイクルが成立する段階
- 事業、業務機能の現地化が進む
- 共鳴段階
- ホスト国の社員に企業理念や行動指針をきちんと浸透させて、本社と子会社が価値観を共有する段階
- ホスト国社員にもグループ企業社員としての誇りが形成され、経営幹部への現地社員の登用が進む
- 共存段階
- 現地法人が自立して戦略的な経営計画機能を担うようになる段階。
- グループ本社とホスト国子会社がお互いの在立基盤を尊重し合いながら協力する。
- 多くの場合、子会社の経営トップはローカルスタッフから登用されている。
- 共栄段階
- グループ本社とホスト国子会社がWIN-WINの関係を確立している。
- 子会社は自国での経営機能を自前で担うだけではなく、本社と協業してグループ経営に貢献する。
- グループへの貢献とは具体的には以下の者である。
- 本社や他の子会社に経営人材、技術人材を派遣する。
- グループの重要な人材を受け入れて教育する。
- 自分たち創り上げた技術、知的財産、製品をグループに供給する。
- 地域本社機能を果たす。
- 他
次回
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