『ファシリテーター Advent Calendar 2015』1日目のお題は、『落とし穴をファシリテートしよう!』です。
落とし穴に学ぶファシリテーションの極意
ファシリテーターにとって、「落とし穴」というのは、非常に重要な側面を持っています。
ファシリテーションには、大きく分けて2つのステージがあります。
■ ステージ1:ファシリテーターが用意した道筋に、場に参加しているみなさんを誘導する
■ ステージ2:ファシリテーターが用意していない道筋で、ファシリテーターと場に参加しているみなさんで一緒に先に進む
ステージ1:ファシリテーターが用意した道筋に、場に参加しているみなさんを誘導する
ステージ1では、ファシリテーターが用意した道筋に、場に参加しているみなさんを誘導します。
しかし、ただ誘導するだけでは、その後の改善に繋がりませんので、ファシリテーターは落とし穴を用意することになります。
ファシリテーターが用意する落とし穴ですが、以下3種類の落とし方をあらかじめ考える必要があります。
■ 1-1.相手をどれぐらい落とし穴に落とすか
■ 1-2.相手をどこの落とし穴に落とすか
■ 1-3.相手をどうやって落とし穴に落とすか
絵で表すとこんなイメージです。
図1:相手をどれぐらい落とし穴に落とすか
図2:相手をどこの落とし穴に落とすか
図3:相手をどうやって落とし穴に落とすか
ステージ2:ファシリテーターが用意していない道筋で、ファシリテーターと場に参加しているみなさんで一緒に先に進む
ステージ2では、ファシリテーターが用意していない道筋で、ファシリテーターと場に参加しているみなさんで一緒に先に進みます。
ファシリテーターと場に参加しているみなさんで一緒に先に進む際、「現状」と「ゴール」のギャップを埋める経路が複数あることを、まず最初に仮定します。
そして複数の経路のうち、まずどれか1つ選んで進むことになります。
その選択した経路に落とし穴があった場合、どうすればいいのでしょうか。
ファシリテーターが事前に検知して回避することも重要ですが、それでは場に参加しているみなさんのためになりません。
そこでファシリテーターは、場に参加しているみなさんに対して、以下3種類の勇気を与える必要があります。
■ 2-1.落とし穴を見つけたら、立ち止まる勇気
■ 2-2.落とし穴に落ちたら、前に戻る勇気
■ 2-3.落とし穴を乗り越えたら、次に進む勇気
図4:現状とゴールのギャップ
図5:3つの勇気
よいファシリテーターになるために
よいファシリテーターとなるためには、そもそも、場に参加しているみなさんと、以下の共通認識を持つことが大前提です。
■「答えは用意されていない」
■「答えはどれも正解」
■「答えはみなさんで一緒に考えてつくり出すもの」
その上で、場に参加しているみなさんと、一緒に考えていく過程で、さまざまな落とし穴に対する対処法をみなさんで見つけて次に進むことが重要です。
もしそうすることが自然とできるようになれば、きっとその時間は無駄にはならないでしょう。
そのために、ファシリテーターは、落とし穴をファシリテートすることが重要です。
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次の『ファシリテーター Advent Calendar 2015』は、「Ken Takayanagi」さんによる「ファシリテーター活用術(仮)」です。