2015/01/13(火)に開催された
『ザ・ファーストマイル ~イノベーションの不確実性をコントロールする~ 出版記念ビッグイベント』
に参加してきました。
ファーストマイルとは(本の裏表紙より抜粋)
- アイディア(商品、サービス)を計画から現実に移行する重要な局面のこと
- ファーストマイルは、多くの起業家や企業内のイノベーターを悩ませる
- 彼らの行く手を阻む危険に満ちた場所(時期)でもある
イベント概要
詳細
クリステンセン氏の愛弟子スコット・D・アンソニー氏によるイノベーション実践ノウハウ「どのように進めれば、企業内の新規事業やスタートアップは成功するのか?」。
クリステンセン教授の愛弟子が、コンサルティング現場で培ったノウハウを語ります。
本イベントは、クリステンセン教授が設立したイノサイト社のマネージングパートナー、スコット・D・アンソニー氏による出版記念講演です。著書『ザ・ファーストマイル イノベーションの不確実性をコントロールする』で解説したリーンスタートアップに次ぐ第3のイノベーションへの道筋と、イノベーションにつきまとう不確実性をコントロールする具体的なアプローチ方法について語ります。
アジア太平洋地域で数多くのスタートアップ企業を支援し、クリステンセン教授のイノベーション理論を元に実践と研究を重ねてきたアンソニー氏と、アイデアを世の中に広める道筋について一緒に考えましょう!
主催: INDEE Japan
協賛: 翔泳社
協力: エコッツェリア協会日時: 2015年1月13日(火) 19:00~21:00
会場: TIP*S/3×3Labo
定員: 120名
参加費: ¥5,000※ 書籍 『ザ・ファーストマイル』(スコット・D・アンソニー著、翔泳社、3024円)付き。
当日会場でお渡しします。<内容>
19:00~19:30 「日本企業で求められるイノベーションの形(仮)」(INDEE JAPAN)
・ 製品・技術を超えた創造力
・ 競争から自然や社会との共生へ
19:30~20:15 スコット・D・アンソニー氏 講演
・ かつてイノベーション先進国だった日本に寄せる期待
・ イノベーションの夢と挫折
・ 計画至上主義とリーンスタートアップの問題
・ イノベーションにおけるファーストマイルとは
(英語にて行いますが、逐次の日本語通訳もご用意します)
20:15~20:30 質疑応答
20:30~21:00 ネットワーキング
※ スケジュールは変更になる場合があります。<こんな人にお薦めです!>
・ 企業で新規事業の開発を進める立場にある方
・ スタートアップの初期で失敗を繰り返してしまい、打開策を探している方
・ リーンスタートアップに次ぐ第3のイノベーションに興味がある方<スピーカー紹介>
スコット・D・アンソニー(Scott D. Anthony)クレイトン・クリステンセン教授が創設したイノサイト社のマネージング・パートナー。
イノベーション分野に特化したグローバル経営コンサルティングと投資活動を行なう。
シンガポール・オフィスを本拠地として、アジア太平洋地域でベンチャーキャピタル投資活動を行なう(イノサイトベンチャーズ社)。また、グローバル企業が長期にわたって存続するための戦略立案や、イノベーション実現に向けて支援を行なっている。
クリステンセンとの共著に『イノベーションの最終解』(2014年)、『イノベーションへの解 実践編』(2008年)などの邦訳書がある(いずれも、翔泳社)。
Twitter: @ScottDAnthony<書籍の紹介>
『ザ・ファーストマイル イノベーションの不確実性をコントロールする』
本書は「ファーストマイル」と呼ばれる、アイデアを計画から市場に投入する実行フェーズについての解説書となる。ファーストマイルは多くの起業家や企業内のイノベーターを悩ませる。アイデアが市場に受け入れられた確率は1%以下という調査結果もある中で、実行フェーズを乗り越えるために何を準備するべきなのか。その答えはアイデアを推進するプロセスにあった。
長年イノベーションの戦略アドバイザーとして活躍する著者が、アイデアを市場で成功させてイノベーションを実現するための新たなツールを詳述。事例とともに苦労して得た教訓とノウハウを提示する。新規事業担当者、スタートアップを目指す起業家、今後社内でイノベーターを目指す人にぜひ読んでほしい一冊。株式会社インディージャパンはイノサイト社と提携し、イノベーションコンサルティングと事業開発支援を行う専門家集団。新規事業のコンセプト立案から事業立ち上げの加速支援までを手掛ける。『ザ・ファーストマイル』の監訳に携わった。
スコット・D・アンソニー氏 講演
- ファーストマイルで起こること
- 人は平気で嘘をつく → 未来に起こることは自身もわかっていない
- 老人ホームの近くでセミナーをやっても、誰もこなかった
- キヨスクを作ってクリーニング店の破壊的なモデルを提供しようとしてみた
- 実際に資金提供を受けて、何十店舗か出店してみたところ、儲からないことがわかった(やるまえはわからなかった)
- 多くの火事(家事?)が起きて、そのコストが膨大になった
- 研究によると、スタートアップが失敗する最大の要因は『拡大・展開を早くやり過ぎる』から
- もう少しゆっくりと試せばよかった
- アイディアを確認するために必要な3つのこと
- 需要があるかどうか
- 提供できるかどうか
- 儲かるかどうか
- 一番不確実性の高いものを絞り込むことが重要
※途中で、鳥人間コンテストの海外版(空を飛ぼうとしていろんなものを作ったがことごとく失敗して笑いを誘うという内容)のビデオを上映
- 皆さんがファーストマイルを見つけるのに必要なこと
- マシュマロチャレンジの紹介
- イノベーティブにモノゴトを進めて行きたい人に向けた6つのアドバイス
- 1. 謙虚な姿勢
- イノベーションが起こる場所では、何も知らないという姿勢
- 2. 徹底的に多面的に見る
- 分析せずに実行も悪いが、何も考えないのももっと悪い
- 3. イノベーティブであれ
- どういう実験が出来るのか創造的に考える
- 4. 活動的であれ
- Excel等に没頭せずに、市場に出て、市場と共に知っていくこと
- 5. 柔軟性を持って取り組んで行く
- 顔面にパンチを喰らうことを覚悟して突き進む
- 6. 大胆に取り組むべし
- いろんな問題に直面するが、大胆に取り組むこと
- 1. 謙虚な姿勢
会場からの質問
- 1. いつ、どうやって、変化を見つけるのか
- 1つめ、最初に、どういう仮説に密着したアイディアなのかを書き下す。そうすればタイミングが見えてくる。
- 2つめ、デッドラインを決めて、期限を決めて進めて行く。期限がないといつまでも進めようとしてしまう。
- 3つめ、バックアッププランを持っておくこと。バックアッププランがあれば、今のプランに固執せずに、次のプランに進めることができる。
- 4つめ、決断や、白黒を付けるのは難しい。その場合は、異端児や他の方のアドバイスを受けるとよい。
- 2. ファーストマイルを踏み出すときにアサインすべき人材は?
- どんなプロジェクトにおいても、2人で始まることが多い
- ものを作る人、ものを売る人
- 3人目は、数字を作る人
- あともう1人いれるとしたら、いろんなところで遊び回る人。彼が創造的な役割を持つ。
- 多いとよいわけではない。少ない方が意思決定は早い。1人よりは2人のほうがいいが、それ以上は状況による。
- Amazonの誰かさんが言っていたが、2つのテーブル?で食事できる規模がよい?(5~6人が上限)それを越えたら上手くいかない
- 3. デザイン思考がイノベーションに繋がる考え方として取り組んでいる人が多いが?
- 1つめ、デザイン思考はすばらしい考え方だと考えている
- 2つめ、デザイン思考で言っていることと、ファーストマイルで言っていることを比べた場合、エッセンスはほぼ同じ、使っている言葉が異なる
- 3つめ、デザイン思考に不足していることは、アイディアをビジネスに、お金に換える仕組みがない
- 4つめ、デザイン思考に不足していることは、組織のからみ方がたりない。組織論的な取り組みが足りない
- 5つめ、スコットがデザイン思考のワークショップに応募したら、競合と判断されてはじかれた(笑い話)
- 6つめ、スコットはスタンフォードの入学試験にも落ちたので、スタンフォードにも嫌われてるかも(笑い話)
- 4. ITビジネスに関わっている。ITビジネスでやるべきことは?
- 1つめ、世の中に立ち上がっているベンチャーを調べる。市場の動向を調べる。
- 2つめ、アイディアのパネルを作る
- 3つめ、本から情報を得る?(よく聞き取れず)
- 5. 嘘を見抜く質問方法は?
- 1つめ、行動は嘘をつかないという原則に従うのがよい
- 2つめ、よく観察する
- 3つめ、実際のプロポーザルを確認
- 4つめ、インタビューする場合、オフィスにつれてきてはいけない。彼らの環境下でインタビューすべし。
- 6. アントレプレナーの素質?イノベーションを起こすには?
- 1つめ、労働市場の流動性が低いこと
- 2つめ、イノベーションが起こりにくい環境であること
- 3つめ、市場を崩していく
- 4つめ、大企業、一般的にイノベーションを起こせないと言われているが、実際は違う
- 5つめ、スタートアップ企業の数を競うのではなく、大企業はイノベーションについてしっかりアイディアを出し、実行に移すことが必要