http://www-06.ibm.com/itsolutions/jp/solutions/businessflexibility/events/impactj_2009/index.html
参加対象
- 2009/05/19(火)10:00-11:00 [K-1] ご挨拶・特別講演
【K-1】ご挨拶
日本アイ・ビー・エム株式会社
代表取締役社長
橋本 孝之
- IBMは「Smarter Planet」というキーワードを基に、以下の4つのキーワードを事業の核としていきます
- Dinamic Infra Structure
- Green and Beyond
- New Inteligence
- Smart
【特別講演】「ITと今後の日本経済」
獨協大学教授/経済アナリスト
森永 卓郎 氏
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【プロフィール】1957年7月12日生まれ。東京都出身。東京大学経済学部卒業(1980年)。日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、1991年から株式会社三和総合研究所(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)にて主席研究員を経て、現在は獨協大学教授。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。難しい『経済』を斬るその語り口は解りやすく、明快である。テレビ朝日「ニュースステーション」のレギュラー・コメンテーターなどに出演。ミニカー他、さまざまなコレクターとしても有名。 |
- 危機に勝つ!~見せてきたSmart SOA導入パターン
- 景気は底打ちの可能性が見えてきた
- 景気は11の関連指標で評価する
- 11のうち、7つが生産関連
- 新しい経済社会のビジョンが見えていない
- サブプライムローンの焦げ付きによる損失:数十兆円
- トリガーではあるが、原因ではない。
- 経済損失は400兆円近くある。
- 世界中に数学コンプレックスがある。
- 「お金がお金を生む」という思想が、間違っていたことがばれて不況になった
- 高度な技術は、いつも悪用される。
- 金融バブルは、今に始まったことではない。
- 大きなトレンドには、必ず悪ノリが存在する。
- 1990年代後半のITバブル「何でもかんでもITに乗っかれば儲かる」
- 「皆さんやってますよ」「今やらないと遅れますよ」と2言言えば、すぐ仕事が取れた時代
- 2000年ITバブル崩壊:「ITに乗っかっても儲からないことがばれた」
- 過去、生産性が高い産業に日本の産業を誘導しようとしたことがあった
- 重化学工業がその例
- 経済産業省が、1970年代に方針転換し、生産性基準、品質基準、環境基準、勤労福祉基準を基に、知識産業を中心にしようとした
- IT産業がその例
- ITは日本の作業を変える大きな力を持っている
- 中小企業といえど、グローバル化の波に逆らうことは出来ない
- 「リストラを促進し、スリム化して筋肉質になり、経営陣はリーダーシップを持つべきだ」という思想は、間違っている
- アメリカのMBAでは、日本の経営を教えているのは、7割近くある
- 1980年代では、「なぜ日本に負けたのか」というテーマ感を持っており、アメリカも終身雇用・年功序列を取り入れるべきだと議論をした時期もあった
- 理由は、当時は日本がバブルだったから
- これからは「ITをベースにした、イタリア型がいい」と、森永さんは考えている
- 100年前のイタリアは、アルゼンチンより貧しかった
- 国連が発表したGDPにて、イタリアは日本を抜いた
- イタリアは、年休の消化率が100%、夏休みは1ヶ月以上、残業しない、昼寝もあり、それで日本人より年収は上
- イタリアは日本と似ている
- 日本もイタリアも、中小企業が多い、高齢化が進んでいる、少子化が進んでいる、海に囲まれている、贈収賄が横行している、首相がころころ変わる
- イタリアは競争の方式が日本とまったく違う
- イタリアは、中国と競合しない製品を作っている
- アルマーニやベルサーチのスーツを買う人は、青山のスーツを買いますか?
- つまり、競合しない
- イタリアは「出来の悪い子ほど大事にする」という思想で、車すらわざと壊れやすいように作る
- イタリアは、付加価値の付け方が上手
- イタリアは、いろんな下請け会社を取りまとめる中心の役割(=プロジェシスタ)がとても重要
- プロジェシスタに必要な資質
- アート
- 技術
- 技術の上に乗せる芸術
- アート
- イタリアのモナリザは、見る人の心を映す
- 嬉しいときにモナリザを見ると笑顔に、落ち込んでいるときに見ると悲しい顔に、見える
- モナリザは、人間の喜怒哀楽の筋肉の動き(=技術)を基に、描かれた(=芸術)
- 世界最高の技術を持った上で、ふざけるのがアート
- 「わくわく」することがないと、どんなに技術がすばらしくても、つまらない
- イタリアは、どうして高いモノを作り続けられるのか
- イタリアは、すべての製品が「アート」で作られている
- イタリアは、ネクタイ1本を買うのに最低1時間掛けている
- どんなスーツで、どんなTPOで、それにあったどんなネクタイがいいのか、を、真剣に考えている
- イタリアは、人間がやるべき仕事は「感性の発揮」であり、人間の感性を発揮しない仕事はすべて機械で自動化する、という思想がある
- その為、徹底的なIT投資を実施している
- 人間はクリエイティブな存在に特化すべきだ、という思想をイタリアは持っている
- 「イタリア人は働かない」というのは大きな間違い
- たしかに、外見的には、残業しない、休暇が多い
- だがそれは、17:30になったらすぐに帰るということではない
- イタリアでは権限委譲が進んでいる
- イタリアは、日常のオペレーションについては、全部現場に任せている
- 作業の段取りなども全部現場が決めている
- みんな17:30に帰れるように、必死に考えている
- イタリアの会社には、会議がない
- 経営者が、現場の状況を把握出来なくなることを救うのが、IT
- 権限は全部チームリーダーに渡して、必要があればITで賄う
- アイディアは、無からは絶対に生まれない
- 異質な文化と接することで、アイディアは生まれる
- セキュリティを守りながら、どれだけ外部と合流できるか、が重要
- イタリア人は、絶対に暗くならない
- ダメな企業は、「我が社を取り巻く不況は」という挨拶をしている
- イタリアの企業は、「呑んで、食べて、恋をしよう」という挨拶をしている
- まわりは不況かもしれないが、気にせず明るく楽しくいこう、という意味