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「Windows Azure開発で困ったのはログ、デプロイ、コントロール」が公開されています

2017/08/16

「Windows Azure開発で困ったのはログ、デプロイ、コントロール」という記事が公開されています。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20100628/349649/

2010年1月より商用サービスが開始され、2月からは課金がスタートした米Microsoftのクラウドサービス「Windows Azure」。昨年から中小企業向けにWindows Azureを使ったシステム開発を手掛けているシグマコンサルティングの橋本圭一代表取締役に、Azure導入の利点や問題点を聞いた。

これまで手掛けた案件の概要を教えてください。

 弊社は中小企業向けのシステムコンサルティングなどを手掛けています。Windows Azureを利用した案件は、自前で運用していた情報システム部門の業務を、弊社に委託するものでした。社内にあったSQL Server 2000をSQL Azure上へ移行し、管理を弊社が行うものです。データベースには顧客情報、経費の申請、請求回収業務の情報など重要な情報が格納されています。

 また、Windows Formsで構築した画面を、Silverlightベースに変更しました。現在はメインでWindows Azure上のシステムを使い、バックアップとして以前の社内サーバーにSQL Server 2008を入れて利用しています。

移管したメリットは。

 情報システム部門を廃止したことで、以前と比較して約3割のコストカットになっているようです。また自社でハードウエアの面倒を見なくてもよくなったことが大きな利点でしょう。弊社のようなコンサルティング会社にもメリットがありました。ハードウエアが故障して現場に行く必要がなくなったからです。

開発で苦労したことは何か。

 当たり前の話ですが、Windows Azureの情報がなかったことが一番苦労しました。また、SDK(Software Development Kit)でローカルに構築した環境とWindows Azureの環境が完全に一致してはいません。ローカルでは問題なく動いていたものが、クラウド上では全く動かなかったことが多々あります。

 トラブル時にログがうまく出力できないのも困りました。うまくいかない理由が、Azureのシステムにあるのか、私たちのプログラムがおかしいのか、といった区別が困難でした。今では事例も出始めてきたので、以前より悩むことは減りましたが、これからもログの適切な作成は重要な課題と言えそうです。

 また、デプロイに時間が掛かりすぎることも問題でした。現在は改善されていますが、デプロイに20分以上かかることもありました。修正してデプロイするのですが、次のテストを開始するまでに時間がかかります。これを200回以上も繰り返したので、大変な時間がかかりました。

 サードパーティの製品にも注意が必要です。例えば、サードパーティ製のコントロールを利用してPDFファイルで出力したかったのですが、うまく構築できませんでした。そのコントロールは一時ファイルをサーバー上に作る必要がありました。

 Windows Serverで運用していれば、OSが乗っているディスクに書き込めるのですが、Windows Azureの環境では一時ファイルを作成して書き込むことができません。NTFSのイメージをマウントする方法も考えましたが、結局リッチテキストでの出力に変更しなければなりませんでした。

 また、ライセンス体系が充実していないことも悩みでした。現在、サードパーティから出荷されているWindowsコントロールのライセンスは、サーバー台数などで課金される製品が大多数です。しかし、Windows Azureは仮想サーバーを利用するので、台数が増えるごとに課金されたのでは、大変な金額になってしまいます。クラウドに対応したライセンス体系を有する製品が少なく、製品の選定が困難でした。

Azureは普及すると思いますか。

 今の段階では、大規模なデータベースをクラウド上に置くのは時期尚早と言えるでしょう。SQL Azureならある程度のパフォーマンスチューニングも可能ですが、キーバリューストア型のデータベースのチューニング技術は発展途上です。パフォーマンスが問題となることもあるでしょう。

 しかし、中小規模のシステムではAzureのメリットが大きいと言えます。SQL AzureとSQL Serverは互換性があるので、多くの変更なしに乗せ換えることが可能です。一度SQL Azureで稼働させてみて、うまくいかなかったらローカルでの運用を続けられるようにシステム構築をすればいいのです。

 今後は優れた開発・運用ツールが登場し、Windows Azureを使ったシステム構築が楽になるかもしれません。サードパーティもWindows Azure用のライセンス体系を充実させてくるでしょう。また、事例やドキュメントも増えるはずです。多くのエンジニアが協力することで、クラウドを使ったシステム構築が普及していくはずです。

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