「企業競争力強化のためのSOA化基本計画策定アプローチ」参加報告@IBM IMPACT 2009 JAPAN SOA CONFERENCE

更新日:

http://www-06.ibm.com/itsolutions/jp/solutions/businessflexibility/events/impactj_2009/index.html

参加対象

  1. 2009/05/19(火)13:20-14:10 [E-1] 企業競争力強化のためのSOA化基本計画策定アプローチ ~企業戦略と整合性のあるSOA化のために~

【E-1】企業競争力強化のためのSOA化基本計画策定アプローチ ~企業戦略と整合性のあるSOA化のために~

日本アイ・ビー・エム株式会社
GTS事業 ITストラテジー&アーキテクチャー・デリバリー
インフラストラクチャー・アーキテクト
広瀬 純子

  • 計画策定にてよくする質問
    • [Q] IT投資の目的は?
      1. [A] 安定稼働
      2. [A] コスト削減
      3. [A] 組織の効率化・活性化
      4. [A] 迅速・柔軟なIT
  • はじめに
    1. SOA化によるIT価値は、IT視点の「守り」については達成出来つつある
    2. ビジネス視点の「攻め」の価値についてはこれから、というのが現状
    3. IT価値を確実に作り込む為には
      • 既存IT基盤環境に及ぼす影響やリス子を、サービス・ライフサイクルの初期段階で見極め
      • 企業戦略と整合性の取れた基本計画の策定

SOAは有効利用できているか?

  • CIOに期待されている「守り」と「攻め」バランスの実現
    • 相反する成果をCIOは期待されている
    1. IT予算の削減
    2. 既存システムの効率的維持・運営
    3. 安定・成熟したテクノロジーの採用
    4. ITの活用による全社コストの最適化
    5. 新規ビジネスのためのシステム開発
    6. 先進テクノロジーの可能性追求と適用
    • CIO Studyのテーマ:CIOパラドックス
      1. 価値創造者とコスト効率追求者
      2. ビジネス変革推進者とITサービス責任者
      3. 先見者と実務者

「変化が読めない」と「変化が読めるもの」があるとした場合、「変化が読めない」ものが増えている。
CIOはチャンスが何かを見極めたいと考えている。

  • SOA化に求められるITの価値(攻守)
  • ビジネス視点のIT価値を作り込むには
    • 価値を明確化・具体化してフルライフサイクルで作り込む
  • CIOは3つの役割の観点から、「守り」の活動と「攻め」の活動のバランス実現を、経営層から期待されている
    1. 「攻め」(勝つための仕組みづくり)
    2. 「守り」(負けない仕組みづくり)
      • SOAの導入によって、投資対効果の実感を感じる領域でもある
テクノロジーを活用したイノベーション推進担当として テクノロジーを活用した新しい発想でのビジネスモデルを、企画・提案する
ビジネス・プロセス最適化の責任者として ビジネス・プロセスを可視化し、リスクを最小化する ビジネス・プロセスのパフォーマンスを高める
情報化推進機能のトップとして 基幹システムの安定稼働に責任を持つ プロジェクトのQCDに責任を持つ 企業内のデータや情報を整備し、変化を迅速に感知できる仕組みを作る
  • SOAに求められるITの価値
ビジネス面のニーズ SOAの特性 IT面のニーズ
市場の変化への即時対応 柔軟性 開発期間の短縮、 開発コストの削減
サービス・コンポーネント単位の組み立て、組み替えが容易
マネジメントサイクルの短期化 再利用性 運用・管理コストの削減
共通で利用できるサービス・コンポーネントの実現、既存システムをサービス・コンポーネントとして実現
TCOの削減 拡張性・統合性
組織・会社をまたがった容易なシステム・アプリケーション間のデータ連係、業務プロセス間の制御・自動化
コアコンピタンスへの集中 センス&レスポンド 既存システムの有効活用を促進
プロセス・イベントのモニター、イベント取得のための標準基盤
  • ビジネス視点のIT価値を作り込むには
    • IT価値が作り込めないのは、投資対効果の適正化が図れず、価値=本来求められる品質が備えられていないため
    1. 価値があいまい
      • 価値定義するのはエグゼクティブの仕事
        1. 到達可能性を視野に入れて目標を提示・共有・評価
        2. KPIを含めて目標を共有する
    2. 価値の具体化があまい
      • プロジェクトの初期段階でコアメンバーが実施
        1. 内容と効果を確認・共有
        2. 作るもの、作り込みに必要なもの、運用時に作り込むもの
    3. 価値の作り込みが属人化
      • ITサービスのライフサイクル全体で作り込む
        1. 作り込みは個人技から始めても、システム化を目指す
        2. 標準化の範囲を広く(業務・管理系・コンセプトも)
        3. ナレッジを蓄積する、個人を育てる(人材育成)、外部から調達する

IBMが考えるSOA Ready!のためのロードマップ

  • ITサービスマネジメントとは、ビジネスとITの間を取り持つプロセス
    • 目指すもの
      1. ITサービス提供のコスト削減
      2. ビジネス・ニーズに一致したITサービスの提供
      3. ITサービスの継続的な品質向上
      • 価値を生み出すものを作る
  • ITサービスマネジメントで価値を作り込む
    1. 多くの企業が自社のITに関して「我慢の限界」に達している
    2. 優れたITサービスマネジメントの必要性を認識
    3. ITサービスマネジメント
      • 顧客にとって価値あるITサービスを、適切なコストと高い品質で実現するために求められる下記要素を、統合して管理していく
        1. プロセス
        2. テクノロジー
        3. 情報
    4. 変化を捉えて変革に持ち込む
    5. 継続的改善の際、正しい情報を得て、次の行動に結びつける
    • ITIL ver3では、以下のサイクルを回していく
      1. サービスの戦略
      2. サービスのデザイン
      3. 本番反映
      4. 運用
      5. 継続的サービス改善

SOA化実現 5つのポイントと基本計画のあるべき姿

  • SOA化実現の5つのポイント
①ビジネス戦略との整合性を考慮する 全社最適のIT価値(攻・守)と優先度を設定した後、要件を具体化・詳細化する。
②ライフサイクルにおいてITサービスの見える化 プロジェクトの視点、オペレーショナルな視点で目標達成を測定・証明する。可視化・自動化で管理レベルを向上させる。
③スキルを結集して作り込む(ガバナンス・組織活性化が前提) ガバナンス強化でビジネス側要求管理、ITサービス管理強化でサービスレベル合意。方法論(運用業務、管理体系、コンセプト)の共有・標準化。スキル(ビジネス、サービス、アプリ、テクノロジー)の育成・調達。
④ビジョンにもとづくアーキテクチャを作る。 IT価値の優先度に基づきアーキテクチャを検討。隠田外リー・ソリューション、リファレンス、フレームワークの活用。方法論(実運用への適用方針、開発業務)の確立・標準化。
⑤拡張性とプロセスの整合性が重要 再利用・柔軟性推進方針、新規・既存コンポーネント。想定可能な変革と対応方針。IT環境の見える化(構成情報、ビジネス・インパクト、プロセス可視化)。
  • SOA化基本計画のあるべき姿
    1. 目的
      • 次工程以降のスコープと規模の確度をあげる
      • IT価値の内容・必要性の確認を、コア・メンバーが理解・共有する過程
      • プロジェクトGOALの確認(目標、評価基準)
    2. 3つのタスクで構成
      • 現状調査
      • 要件定義
      • 概要設計
    3. 検討のポイント
      • プロジェクト範囲の候補(既存機能、新規機能)
      • ITサービスを運営する上で追加するもの(見える化、自動化、KPI管理)
      • 次工程以降の、スコープ、工数とリスク、優先度明確化

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